マイルCS回顧

 imgまり真里谷

恐れいりました!
ただただ、そう述べる他ないトーセンラーの快勝劇。
上がり33.3。
決してスムーズとは呼べない競馬でしたが、鞍上の武豊騎手は冷静でした。
直線に入ってうまく馬群をさばき、追える状況になったらスカッと差しきり!
最後はダノンシャークに1番人気こそ譲っていましたが、人気馬らしい競馬でしたね。

なんといっても、天皇賞(春)の2着馬です。
3200mのG1で2着する馬が、1600mのG1で見事な勝利を収める。
これもまた能力と、関係者の皆さんの努力があってこそなんでしょう。
そういう意味では天皇賞(春)4着、安田記念1着のツルマルボーイなどを思い出します。
しかし、今回はそれ以上。
ここまで広い距離適性は、G1馬ではありませんが、マイソールサウンドがふわっと浮かんできますね。

レース自体は、コパノリチャードがしっかり形を作ったといえました。
同馬は4着に残っていることからも、力を出しきったと言えるでしょう。
2着ダイワマッジョーレ、3着ダノンシャークにしても同じこと。
とにかく、トーセンラーの地力、そして京都適性は尋常ではなかった。
最後に大外からドナウブルーがすっ飛んできたのには、ちょっと驚きましたが。
それでも、上がりの数字では6着のサンレイレーザーが上なんですね。

残念なのはクラレント。
もともと人気先行だとかG1では実力不足だとか言われていましたが、ここまでの負けは想像以上。
前売りでは上位人気、当日も4番人気だったものの、なんと11着に敗れました。
トーセンラーから0.9秒差は大敗とまでは言えませんが、格の違いはあるのかな、と……。
サダムパテックが5番人気7着、グランプリボスが7番人気9着、リアルインパクトが13番人気10着。
このあたりのG1馬組も、そろそろ引退の二文字が見えてきてしまう結果でしょうか。
いや、どの馬もまだ最近に好走がありますし、見切るには早計かな?

さてはて、そうした期待と不安が半々なメンツとは裏腹に。
カレンブラックヒルは8番人気ながら18着シンガリ負け。
トーセンラーから2.1秒差離されての惨敗となってしまいました。
これはちょっと予想外の負けっぷり。
馬の中から闘志が消えてしまったんでしょうか。
やはりあのフェブラリーS出走が、とは考えたくありませんが。

短距離王ロードカナロア不在の中で行われた今回のマイルCS。
生粋のマイラーにとってはつらい結果となりました。
短距離路線と中距離路線の充実。
そこからあぶれた馬たちにとってのマイル路線。
そうした傾向が鮮明に表れた、ということになるのでしょうか。
今後の群雄割拠の到来を見据えて、「マイラーたちの逆襲」にも注目したいですね。

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